予防歯科
予防することの重要性

虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状が少なく、知らず知らずのうちに進行することがほとんどです。多くの患者様が、症状が進行してから気づかれることが多く、歯を失う大きな原因となっています。早期発見・早期治療により、歯や歯周組織へのダメージを最小限に抑えることが可能です。そのためには、定期的な歯科診察が重要で、目安としておよそ3ヶ月に1度の歯科検診が推奨されます。予防は治療よりも痛みが少なく、経済的負担も軽減されますので、健康な状態を維持するためにも定期検診をおすすめします。
予防するメリット
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早期発見・早期予防につながる

虫歯や歯周病は、初期症状がほとんどありません。そのため症状に気がついて、歯科医院で治療を受けるときには、相当進行しているケースがたびたび見受けられます。だからこそ、定期的に歯科医院で検診を受けていただければ、自覚症状が無い段階でトラブルを早期に発見し、より簡単かつ効果的な治療を行うことが可能です。
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費用負担の軽減ができる

予防のために定期的に歯科医院に通うと、費用がかかるとお考えの方は多いかもしれません。しかし、虫歯や歯周病を未然に防げれば、治療に必要な費用や時間を節約できます。予防は、長期的に見ると治療に比べて経済的です。
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爽快感が得られる

定期的な歯科検診やプロフェッショナルクリーニングにより、歯垢や着色を除去し、口腔内を清潔に保つことができます。検診後の口腔内の快適さと爽快感は、毎日の歯磨きだけではなかなか得られません。
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全身の健康にもつながる

口腔の健康は全身の健康にも影響します。虫歯や歯周病が進行すると、さまざまな不快な症状が出たり、歯を失うリスクが高まります。また歯周病菌は、糖尿病・心筋梗塞や脳卒中など他の健康問題のリスクを高めることで知られています。
プロフェッショナルケア(メインテナンス・予防)について
プロフェッショナルケアとは、歯科医院で行う専門的なお口のケアのことです。歯のクリーニング(歯石・歯垢・着色の除去)を行います。ご希望の患者様には、ブラッシング指導(虫歯・歯周病発症のリスクポイントやご自身の歯磨きでは磨き残ってしまう場所を中心に歯磨き指導)を行います。お口の状態に合わせてデンタルフロス、歯間ブラシ、タフトブラシの使い方をアドバイスさせていただき、ご自身でしっかりセルフケアができるよう、サポートします。
お子様の場合は最後に高濃度フッ素塗布をします。
※大人もお子様も、定期的にプロフェッショナルケアを受けることでお口の健康が保てます。
口腔内の診察
視診による虫歯、歯並び、噛み合わせ、義歯、口腔粘膜の確認を行います。
また、歯周病検査による歯肉の状態や、歯の揺れ具合、病状進行の確認を行います。
さらに、必要に応じてレントゲン写真を撮影します。
ブラッシング指導

ご希望の患者様には、虫歯・歯周病発症のリスクポイントやご自身の歯磨きでは磨き残ってしまう場所を中心に歯磨き指導(ブラッシング指導)を行います。お口の状態に合わせてデンタルフロス、歯間ブラシ、タフトブラシの使い方をアドバイスさせていただき、ご自身でしっかりセルフケアができるよう、サポートします。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

スケーリングは、スケーラーと呼ばれる専用の機器(器具)を使い、歯の表面や歯周ポケットに付着した歯石を除去する方法です。 ルートプレーニングは、歯石除去後の粗造面を一層除去し、表面を滑沢にする方法です。
歯石の表面は口腔内細菌が付着しやすく、虫歯や歯周病がさらに悪化する原因になります。歯石は、歯の表面に石灰化しこびりついているため、ご自身で歯ブラシで除去しようとしても不可能です。無理に行おうとすると、歯や歯ぐきを傷つける恐れがあります。必ず歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
※歯石:歯垢(プラーク)が石灰化したもので、細菌由来の菌体物質を含むもの。
PMTC (Professional Mechanical Tooth Cleaning)

ご自宅での日常のブラッシングでは、歯の表面の汚れを完全に取ることは出来ません。そこで、専用の器具でプラーク・歯石・着色・歯の表面に付着しているタンパク質を取り除くPMTCが有効です。また、茶渋・コーヒー・タバコのヤニなどの着色が取れ、歯の表面がツルツルします。定期的に続けることで、少しずつ悪玉の口腔内の細菌が減少し、虫歯・歯周病予防に効果的です。
セルフケアについて
日々のセルフケアは、虫歯や歯周病を予防する上で欠かすことができません。毎日の生活で、常に、新たに歯垢(プラーク)が発生します。プラークは「食べカス」と思われがちですが、実は「生きた細菌集団の集合体」なので、虫歯や歯周病の要因となる有害な物質です。適切なセルフケアを身に着け、日々お口の中を清潔に保ちましょう。
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食生活の改善
糖質の高い飲食物を摂取すると虫歯のリスクを高めます。また、だらだらと食事を続けることも同様です。このような不健康な食生活を一つずつ改善していけば、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
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ブラッシング
効果的なブラッシングは、口腔衛生を保つための基本です。しかし、正しいブラッシング方法を身につけることは難しいので、歯科衛生士からの指導が役に立ちます。
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デンタルフロス・歯間ブラシ・
タフトブラシ歯ブラシだけでは届かない部分の清掃には、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどが効果的です。ただ正確に扱うにはコツが必要です。これらのツールを使いこなすためのアドバイスも可能なので、ぜひ積極的にご相談ください。
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プラークの染め出し
プラーク染め出しを行うことで、ブラッシングで磨き残された部分を視覚的に確認できます。プラーク染色剤は当院でも購入可能です。毎日のオーラルケアを改善するのに役立ちますので、ご希望の方は受付までお申し出下さい。
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洗口剤(うがい薬)
洗口剤の使用は、虫歯や歯周病予防に役立ちます。しかし、洗口剤でうがいをしてもプラークを完全に除去することはできないため、必ずブラッシングと組み合わせるようにしましょう。
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フッ素
フッ素は再石灰化を促進し、歯質を強化します。そのため効果的に虫歯を予防してくれる作用が期待できます。市販の歯磨き粉は、歯科医院で用いるフッ素よりも濃度が低いのが特徴です。できるだけフッ素が高濃度に配合されているものを選ぶようにしましょう。
プロフェッショナルケアとセルフケアを組み合わせることが大切です
効果的な口腔内の健康維持には、患者様ご自身でのケア(セルフケア)と専門家によるケア(プロフェッショナルケア)の両方が必要です。ただし、セルフケアは正しい方法で行わなければ効果は得られず、プロフェッショナルケアにおいては、患者様の状態に合わせた適切な治療の選択が大切です。
当院では、患者様一人ひとりの口腔状態に合わせたプロフェッショナルケアをご提供します。そのうえで歯磨きの癖やライフスタイルに合わせて、オーダーメイドのセルフケア方法も指導しているのが特徴です。ご不明な点やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
当院では骨粗しょう症リスクのスクリーニングを行っています

歯科検診で撮影するレントゲン写真から、全身の骨の健康状態を評価できることをご存知でしょうか。
下あごの骨は全身の骨格と同じように新陳代謝を繰り返しているため、その状態を分析すれば全身の骨密度を推測できます。当院では高精度な解析システムを導入し、歯科診療と同時に患者様の骨の健康をチェックしています。
骨粗しょう症とは?
骨の内部構造がスポンジ状に粗くなり、折れやすくなる疾患です。健康な骨には緻密な網目構造があり、骨の強度を支えています。骨粗しょう症になると網目に大きな隙間ができるため、わずかな衝撃で折れてしまうのです。
なかには重い荷物を持ち上げた瞬間や激しい咳で骨折する事例もあります。骨粗しょう症が厄介なのは、痛みや違和感といった前兆がほとんどない点です。骨が徐々に弱っても本人は気づかず、背中が丸くなって初めて異変に気づきます。
特に閉経後の女性は要注意です。エストロゲンが急減すると、骨を作る働きより壊す働きが強くなるため、女性は男性より発症率が高くなります。運動不足や栄養の偏りも、骨を脆くする要因です。
なぜ「歯科」で骨粗しょう症リスクが分かる?
歯科のパノラマ写真に映る下あごの骨は、全身の他の骨と同じように新陳代謝を繰り返しています。骨粗しょう症になると、この新陳代謝のバランスが崩れ、下あごでも背骨でも同じように骨密度が低下します。つまり下あごの骨を調べれば、全身の骨の状態を推測できるわけです。
骨粗しょう症は定期検査でしか発見できませんが、整形外科で骨密度検査を受ける人は限られています。症状がなければ、わざわざ病院に行こうとは思わないためです。
一方、歯科医院なら多くの人がむし歯や歯周病の予防で定期的に通っています。歯の検査のついでに骨の状態も確認できるため、「症状がないから検査を受けない」という早期発見の壁を乗り越えられるのです。
歯科でスクリーニングを受ける3つのメリット
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普段の診療の流れで
確認できるわざわざ検査のための時間を作る必要がありません。歯科で日常的に撮影するレントゲン画像を使って、骨の健康状態を評価できるためです。むし歯や歯周病のチェックと並行して骨の状態も把握できるため、患者様の負担が少ない仕組みになっています。
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早期発見につながる
痛みや不調といった自覚症状がまだない時点で、骨のリスクを察知できます。そのため内科や整形外科、婦人科などへの受診を早めに検討でき、骨が大幅に弱ってしまう前に対策を講じられます。骨折を起こしてから対応するのではなく、予防の段階で手を打てることが重要です。
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安心して治療をうけられる
ビスフォスフォネート製剤といった骨粗しょう症の治療薬を服用していると、抜歯やインプラント治療後に顎骨壊死が生じるリスクが高まります。事前に骨の状況を把握しておけば、薬剤投与が始まる前に抜歯などの処置を済ませておくなど、リスクを最小限に抑えた治療の進め方を選択できます。
こんな方におすすめ
- 50代を迎えた方
- デスクワーク中心で体を動かす機会が少ない方
- 更年期以降の女性の方
- カルシウムを含む食材をほとんど召し上がらない方
- わずかな転倒で骨にひびが入った経験をお持ちの方
- タバコを吸われる方、またはお酒をよく飲まれる方
- 猫背や前かがみの姿勢が目立つようになった方
- 若い頃と比べて身長が低くなった方(2cm程度)
- 血縁者に骨の病気を患っている方がいらっしゃる
当院でのスクリーニングの流れ
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Step01
問診・パノラマエックス線
写真撮影まず食生活や運動習慣、既往歴、服用中の薬について簡単な問診を行います。これらの情報は検査結果を正確に評価するために必要です。問診後、パノラマエックス線撮影に移ります。
※以前に別の治療で撮影している場合は、その写真を活用するケースもございます。 -
Step02
骨密度解析
撮影画像を専用ソフトウェアに取り込み、下顎骨の形態や厚みなどを自動測定します。複数の評価指標を総合的に分析し、年齢や性別ごとの標準値と比較してリスクレベルを判定します。
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Step03
結果のご説明
判定結果を段階でわかりやすくご説明します。低リスクの方には健康維持のポイントを、中リスクの方には骨密度低下を食い止める具体的な改善方法をお伝えします。高リスクの方には専門医での詳しい検査をお勧めし、信頼できる医療機関への紹介状を作成いたします。
スクリーニングの費用
スクロールできます
| 治療期間・回数 | 料金(税込) | |
|---|---|---|
| 骨粗しょう症スクリーニング | 1回 | 無料 ※保険診療内の画像撮影料金にて、 ご希望の方へ実施します |