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歯ぐきが腫れるのは歯周病?原因や応急処置について

三重県松阪市の歯医者、「西川歯科医院」です。
歯ぐきの腫れの原因は歯周病の進行の可能性が高いですが、それ以外にも強すぎるブラッシングや虫歯などが考えられます。

腫れが生じた場合は、早めに歯科医院を受診するのが望ましいですが、すぐに行けないこともあるでしょう。そこで本記事では歯ぐきが腫れる原因と、もし歯周病が原因である場合の特徴や対応、家でできる応急処置をご紹介します。

歯ぐきが腫れるのはなぜか

歯ぐきが腫れる原因はさまざまです。ここでは主な原因を6つご紹介します。

力強いブラッシング

力強いブラッシングは歯ぐきを傷つけてしまい、炎症や腫れを引き起こす可能性があります。特に新しい歯ブラシに変えたばかりの時は、適切な力加減で使うことができないこともあり、歯ぐきが傷つきやすいので注意が必要です。

歯ブラシは軽くあてて、小刻みに動かすことが基本です。また、歯ブラシの毛先を歯ぐきに対して45度に保ちながら、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨くと良いでしょう。

神経の細菌感染

虫歯が進行し、歯の内部にある神経まで細菌感染すると、歯ぐきの腫れや痛みを引き起こします。このような場合は、感染した神経を取り除く治療が必要になることが多いです。

歯の根っこが割れている

歯の根っこが割れると、その隙間から細菌が侵入し、歯ぐきの炎症や腫れを引き起こすことがあります。割れている大きさによっては抜歯が必要になることがあります。

歯周病の進行

歯周病が進行すると歯周ポケットの深いところまで炎症が広がり、歯ぐきの腫れや出血を引き起こします。

親知らずの影響

親知らずが埋没したり、斜めに生えたりしている場合、周囲の歯ぐきが炎症を起こすことがあります。また、真っ直ぐに生えていても歯ブラシが届いていないと、歯垢の蓄積によって腫れを引き起こします。

口腔がん

歯ぐきの腫れが長引いている場合、口腔がんの初期症状である可能性があります。
口腔がんには舌がん、口腔底がん、頬粘膜がんなどがあります。お口の中にできた腫れや腫瘍が14日(2週間)以上経っても治らない場合は、口腔外科を受診しましょう。

歯周病が原因だった場合

歯ぐきが赤く腫れる場合、その多くの原因は歯周病です。
歯周病は「歯垢(プラーク)」と呼ばれる細菌の塊が歯と歯ぐきの間に溜まることで、歯ぐきに炎症を引き起こす病気です。放置すると歯を支える骨まで溶かしてしまいます。

歯周病が原因で歯ぐきが腫れている場合、以下のような特徴的な症状が現れます。

  • 歯と歯ぐきの境目が腫れる
  • 何もしなくてもズキズキ痛む
  • 噛むと痛い
  • 歯磨きをすると出血する
  • 歯が揺れ動く
  • 体が温まると痛みが増す

疲れたときや免疫力が低下しているときには、急に腫れが生じることがあります。
歯周病が進行すると腫れも大きくなり、抜歯の可能性が高まるため初期段階での治療が重要になります。

歯周病の治療は、自宅でのセルフケアと歯科医院でのスケーリングSRP(スケーリング・ルートプレーニング)が基本です。歯垢や歯石をしっかりと取り除いてお口の状態を清潔に保ちます。ただし、歯周病が進行している場合は、基本治療とあわせて外科的処置を行うことがあります。

歯周病は早めの処置が重要になるため、歯ぐきの赤みや腫れなど違和感を覚えたら早めに歯科医院を受診しましょう。

家でできる応急処置はある?

歯ぐきが腫れた場合、すぐに歯科医師に診てもらうことが正解です。しかし、すぐに歯科医院に行けないときは、自宅で行える以下の応急処置を試してみましょう。

お口の中を清潔にする

歯ぐきの腫れは主に細菌が原因であるため、お口の中を清潔に保つことが重要になります。

腫れている歯ぐきの周辺を清潔にすることはもちろんのこと、歯ブラシやフロス、歯間ブラシでお口全体の汚れをしっかりと取り除き、細菌量を減らしましょう。

安静にする

寝不足疲労ストレスは抵抗力が落ちて歯ぐきの炎症を悪化させる可能性があるため、腫れているときは休息を取りましょう。
特に痛みが強い場合は、激しい運動を避け、リラックスする時間を確保してください。

患部を冷やす

腫れた部分にぬれタオルやアイスパックを当てることで、痛みと腫れをやわらげられます。

その際直接当てるのではなく、タオルに包んで頬の上から使用します。また、冷却は10分を超えないようにして、皮膚を傷つけないよう注意しましょう。

市販の痛み止めを飲む

歯肉膿瘍の原因が異物の侵入市販の痛み止めを利用することで、痛みと炎症を抑えられます。ただし、薬には副作用があるため、使用前には必ずパッケージを読んで適切な用法と用量を守りましょう。

まとめ

歯ぐきの腫れは放置すると体の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。腫れる原因は歯周病や力強いブラッシングなど、さまざまです。

家庭でできる応急処置は、お口の中を清潔に保ち安静にすること、必要に応じて患部を冷やすことが効果的です。また、痛みがひどい場合には市販の痛み止めを使用することも一つの手段です。

しかし、これらは一時的な解決策に過ぎません。原因が何であれ、早めの対処と適切な治療が必要になります。
歯ぐきの腫れが生じたり、繰り返し腫れたりして改善が見られない場合は、歯科医院を受診することをおすすめします。