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歯の痛みに効く市販薬・漢方は?応急処置と放置するリスクを解説
三重県松阪市の歯医者、「西川歯科医院」です。
「歯医者に行く時間がないから、とりあえず市販薬でしのぎたい」
「ロキソニンや漢方薬は歯の痛みに効果があるの?」
このような疑問はありませんか?
結論から言うと、ロキソニンなどの市販薬や漢方薬は、一時的な痛みの緩和に有効です。
しかし、あくまで応急処置であり、根本的な治療にはなりません。
そこで本記事では、歯の痛みの原因、有効な市販薬・漢方の選び方、放置してしまうとどうなるのかについて解説します。

目次
こんな症状が続いたら要注意
歯の痛みは、体が発している「何かおかしいですよ」というSOSサインです。
軽い違和感から始まり、気づいたときには我慢できないほどの痛みになっていることも少なくありません。
以下のような症状が一つでも当てはまる場合は、お口の中で何らかの異常が起きている可能性があります。
- 冷たい飲み物やアイスクリームを口にしたときに歯がキーンとしみる
- 何もしていないのにズキズキと痛む
- 顎の奥の方まで響くような重い痛みがある
- 頬や歯ぐきが腫れている感覚がある
- 歯と歯ぐきの間にポツンと白いできものができている
虫歯は初期段階では痛みを感じにくく、自分では気づきにくいです。
しかし、進行すると冷たいものだけでなく、熱いお茶やコーヒーでしみることがあります。
噛んだときにピリッと鋭い痛みが走る場合は、歯にヒビが入っていたり、詰め物の下で二次虫歯が進行していることが考えられます。
また、何もしていないのにズキズキと痛む場合は注意が必要です。虫歯が歯の内部にある神経に達し炎症を起こしている可能性があり、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
歯が痛くなる主な原因とは
歯の痛みは長い時間をかけて静かに進行していた問題が、あるとき限界を超えて症状として現れたものです。ここでは、歯が痛くなる主な原因について解説します。
虫歯の進行
虫歯は、口の中にいる細菌が食べ物の糖分を分解して酸を作り、その酸が歯を溶かしていく病気です。
最初は無症状でも、「象牙質(ぞうげしつ)」という層まで穴があくと、冷たいものや熱いものがしみ始めます。さらに神経まで達すると、脈打つような激しい痛みに変わります。
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
根尖性歯周炎とは、歯の根の先端に炎症が起きて膿が溜まる病気です。
かつて虫歯で神経の治療をした歯や、大きな虫歯を放置して神経が死んでしまった歯に起きやすい症状です。
この状態になると、何もしていなくてもズキズキとした痛みが続いたり、歯を軽く叩くだけで強い痛みを感じたりします。
親知らずの炎症
奥歯の一番奥にある親知らず(智歯:ちし)は、まっすぐ生えてこないことが多い歯です。
斜めや横向きに生えたり、歯ぐきに半分埋まったままだったりすると、周囲に汚れが溜まりやすく、親知らずの炎症(智歯周囲炎)を起こしやすくなります。
智歯周囲炎になると、奥歯のあたりに鈍い痛みや腫れを引き起こします。重症化すると口が開きにくくなったり、喉まで痛んだりすることもあります。
歯ぎしり・食いしばり
寝ている間の無意識な力によって、歯やその周りの組織がダメージを受けます。「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」と呼ばれ、歯が浮いたように感じたり、鈍い痛みが出たりします。
歯周病
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が細菌感染によって炎症を起こす病気です。初期の「歯肉炎」の段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きのときに出血したりする程度で、痛みはほとんどありません。
しかし進行すると「歯周炎」となり、歯を支える骨が溶けていきます。歯がグラグラして噛むと痛んだり、膿が出て口臭がきつくなったりします。

詰め物や被せ物のトラブル
過去に治療した歯の詰め物や被せ物が、経年劣化で合わなくなったり外れたりすると、その隙間から細菌が入り込むことがあります。
補綴物の内側で虫歯や炎症が起きても、外からは見えないため気づきにくく、静かに進行してしまいます。そして神経まで達したときに、突然激しい痛みとなって現れるのです。
歯が痛くなった時の応急処置
「どうしても今すぐ歯医者に行けない!」そんな時のために、薬局で購入できる市販薬と、漢方薬の選び方を整理しました。
市販の痛み止めは、成分によって特徴が異なります。自分の体質や状況に合わせて選びましょう。
ロキソプロフェン配合(ロキソニンSなど)
鎮痛効果と抗炎症作用を持ちます。「プロスタグランジン」という痛みの元を素早く抑えてくれます。
イブプロフェン配合(イブクイックなど)
こちらも歯の痛みに効果的な成分です。ロキソニンと同様に、炎症を鎮める効果があります。
アセトアミノフェン配合(タイレノールAなど)
脳にある痛みの中枢に働きかけて、痛みを感じにくくさせます。
「体に優しいものを選びたい」「痛み止めが体質に合わない」という方は、漢方薬という選択肢もあります。
立効散(りっこうさん)
歯痛のための漢方。お湯に溶かして、口に含んでからゆっくり飲むと効果的です。
排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
歯ぐきが腫れて膿が出ている、ジンジン痛むという時におすすめです。「膿を出す」効果が期待できます。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
口内炎がひどい時や粘膜の炎症に。
黄連湯(おうれんとう)
歯ぐきの炎症と痛みが同時にある時に。
ただし、これらはあくまでも一時しのぎであり、痛みの原因を根本的に解決するものではありません。
応急処置で痛みが和らいでも、必ず早めに歯科医院を受診してください。
市販薬や漢方で歯痛は治らない
ここまで市販薬や漢方薬、応急処置について紹介してきました。
しかし、痛み止めはあくまでも痛みの信号を脳に伝えにくくしたり、炎症を抑えたりしているだけで、虫歯の穴を塞いだり、細菌を完全に殺菌したりする効果はありません。
薬を飲んで痛みが治まっても、原因となっている虫歯や歯周病は進行し続けています。
放置すると、以下のような深刻な事態を招きます。
- 治療が難しくなり費用も高額になる
- 歯の寿命が短くなる
- お口の細菌が全身疾患を引き起こすことがある
初期段階であれば短期間で終わる治療も、重症化すれば通院回数や費用が増えてしまいます。異変を感じたら手遅れになる前に歯科医院への受診を検討しましょう。
まとめ
市販薬や漢方薬は、歯の痛みを和らげることができますが、あくまで一時的な時間稼ぎに過ぎません。
薬で痛みが引いたとしても、虫歯や歯周病などの原因菌がいなくなったわけではなく、放置すればするほど症状は悪化し、将来的に歯を失うリスクや治療費の負担が増えてしまいます。
痛みが治まったから大丈夫と自己判断せず、薬で痛みをコントロールできている間に、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。