ブログ

予防歯科歯周病治療

スケーリング(歯石取り)の適切な頻度とは?放置するリスクや自分で取る危険性を解説

「スケーリング(歯石取り)って、どのくらいの頻度で行けばいいの?」
「痛くないから放置しているけど、何か問題ある?」
「市販の道具を使って、自分で歯石を取っても大丈夫?」

このような疑問はありませんか?

歯科医院ですすめられることの多いスケーリングですが、なぜ定期的に取る必要があるのか、具体的な通院ペースが分からないという方も多いのではないでしょうか。

実は、歯石をそのまま放置してしまうと、知らないうちに虫歯が出来たり、歯周病の進行や口臭の悪化、歯ぐきが下がる原因になるなど、お口の中にさまざまなトラブルを連鎖的に引き起こしてしまいます。
そこで本記事では、スケーリングの適切な頻度や、歯石を放置する危険性、自分で歯石を取るリスクについて解説します。

歯石をそのままにする危険性とは

歯医者で「歯石取りをしましょう」と言われた経験がある方は多いと思います。しかし、「なぜわざわざ取る必要があるの?」と疑問に感じたことはないでしょうか。

その理由はシンプルで、歯石を放置すると、口の中でさまざまなトラブルが連鎖的に起きてしまうからです。では具体的にどのような問題が起きるのでしょうか。ここでは代表的なリスクを3つに分けて解説します。

虫歯・歯周病の発症・進行リスクが高まる

歯石の表面に繁殖した細菌は、歯ぐきに感染して炎症を引き起こします。
はじめは歯ぐきの腫れや出血といった軽い症状ですが、この状態を放置すると、炎症はさらに奥へと広がり、歯ぐきの中の骨を溶かしていきます。

歯周病が怖いのは、初期の段階ではほとんど痛みを感じないことです。気づいたときにはかなり進んでいたというケースが珍しくなく、重度になると歯を支える骨(歯槽骨)が溶けはじめ、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあります。

口臭が強くなる

歯石が溜まると、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットに酸素が行き届きにくくなります。すると、空気のない環境を好む「嫌気性菌(けんきせいきん)」と呼ばれる細菌が増殖し、食べかすなどを分解する過程で「揮発性硫黄化合物」というニオイの原因物質を発生させ、口臭が強くなることがあります。

歯ぐきが下がって見た目や知覚にも影響する

歯石による慢性的な炎症が続くと、歯ぐきが少しずつ痩せて下がっていきます(歯肉退縮:しにくたいしゅく)。

歯肉退縮が起こると、本来歯ぐきに隠れていた歯の根元が露出するため、歯が以前より長く見えるようになります。見た目の変化だけでなく、冷たい飲み物や空気がしみる「知覚過敏」の症状が出ることも多く、日常生活に支障を感じる方も少なくありません。

歯石除去はどのくらいの間隔で行う?

スケーリング(歯石除去)は、一般的には3〜6か月に1回の頻度で受けるのが目安とされています。幅があるのは、歯石のつきやすさや口の中の状態には個人差が大きいためです。

歯石がつきにくい人であれば6か月に1回で十分なこともありますし、つきやすい体質の人は3か月に1回のペースが望ましいでしょう。

ただ、すべての方が3〜6か月間隔でよいわけではありません。
以下のような方は、より短い間隔でのスケーリングが行われます。

たとえば、過去に歯周病の治療を受けたことがある方です。
治療後に症状が安定していても、歯周病は再発しやすい疾患です。歯石が再び蓄積すると、歯周ポケットの中で細菌が活発になり、症状がぶり返す可能性があります。このようなケースでは、1〜2か月に1回のスケーリングを歯科医師から指示されることも珍しくありません。

また、以下のような方も歯石がたまりやすい傾向があるため、やや短めの間隔(2〜3か月に1回など)での受診を検討したほうがよいでしょう。

  • 歯並びが悪く、磨き残しが多い方
  • 唾液の量が多く、歯石がつきやすい方
  • 喫煙習慣がある方
  • 糖尿病などの全身疾患がある方

自分に合った頻度がわからない場合、まずは歯科医師や歯科衛生士に相談するのが一番確実です。歯周ポケットの深さ、歯石のつきやすさ、ブラッシングの精度、過去の治療歴などを総合的に判断して、適切な間隔を提案してもらえます。

自分で歯石取りをするのはリスクがある?

ドラッグストアやネット通販では、自分で歯石を取るための「スケーラー」が市販されています。しかし、自己流の歯石除去には以下のようなリスクがあります。

歯や歯ぐきを傷つけるおそれがある

市販のスケーラーも、歯科医院で使用されるものと同じように先端が鋭利に作られています。鏡越しに見えにくい部分を手探りで削ろうとすれば、力の加減を誤って歯の表面(エナメル質)を傷つけたり、歯ぐきを切ったりする危険があります。

エナメル質に傷がつくと、その部分にプラークが付着しやすくなり、かえって虫歯のリスクが高まることも。
また、歯ぐきを傷つけて出血した場合、そこから細菌が入り込んで感染を起こす可能性もあります。さらに、自宅では器具を歯科医院のように滅菌することができないため、衛生面でも不安が残ります。

歯石が中途半端に残ってしまう

歯石を正しく取り除くには、スケーラーの刃を歯の面に対してどの角度であてるか、どの方向に動かすかといった専門的な技術が必要です。
歯科衛生士は、こうした技術を長い時間をかけて習得し、歯の1本1本に対してアプローチしています。

自己流では、目に見えやすい部分の歯石はある程度取れたとしても、歯と歯のあいだや歯ぐきの際に付着した歯石はまず取れません。
歯石が中途半端に残ると、その表面の凹凸に汚れが引っかかり、以前よりも汚れがつきやすい状態になることがあります。

歯周ポケット内の歯石には対応できない

歯ぐきの上に見えている歯石は氷山の一角にすぎません。とくに歯周病が進行している方の場合、歯周ポケットの奥深くに黒褐色の硬い歯石(歯肉縁下歯石)がびっしりとこびりついていることがあります。
この歯石は自分では見ることすらできず、市販の道具で除去するのは事実上不可能です。

まとめ

スケーリング(歯石取り)は、一般的に3〜6か月に1回の頻度で受けるのが理想的です。
ただし、過去に歯周病の治療を受けた方や、歯石がつきやすい体質、喫煙や歯並びに問題がある方は、1〜2か月などより短い間隔でのケアが必要になる場合もあります。

ご自身に合ったスケーリングの頻度を知るためにも、まずは歯科医院を受診することが大切です。プロである歯科医師や歯科衛生士に相談し、お口の中を清潔に保っていきましょう。