ブログ

歯科治療で使われる薬はどんなもの?効果や漢方についても解説
三重県松阪市の歯医者、「西川歯科医院」です。
虫歯菌が神経にまで達して神経の治療を行った場合や、歯周病や歯の根元に病巣ができて歯ぐきが腫れた時、さらには転倒などで歯やその周囲の組織を損傷した場合など、さまざまな歯科治療において薬が必要になります。
歯科で使用される薬には、主に鎮痛薬と抗生物質(化膿止め)があります。今回は、当院で使用しているこれらの薬の種類と、その効能について詳しくご紹介します。
また、妊娠中や授乳中の方、心疾患や脳疾患で血液をサラサラにする薬を服用している方にとっては、薬の使用に関する注意点は重要です。これまでに歯科で処方された薬を服用した経験がある方もいれば、これから初めて服用することになる方もいるでしょう。また、ご自身の家族や親しい方が薬を服用する場面もあるかもしれません。
この記事を通じて、歯科で処方される薬についての理解を深め、安心して治療を受けるための情報を提供いたします。ぜひ一度お読みください。

歯科でよく使われる薬
鎮痛薬
歯科治療でよく使われる薬の一つが鎮痛薬です。治療後の痛みを和らげるために処方されることが多く、市販薬でも入手可能なものから、処方薬まで様々な種類があります。
アセトアミノフェン
比較的安全で副作用が少ないため、広く使用されています。妊婦や子どもにも使用されることが多いです。
イブプロフェン
炎症を抑える効果もあるため、炎症が原因の痛みに効果的です。ただし、胃腸障害のリスクがあるため、空腹時の服用は避けるべきです。
ロキソプロフェン
強力な鎮痛効果があり、即効性が特徴です。長期使用は避けるべきですが、短期間の痛みの緩和に有効です。
抗生物質
抗生物質は、歯科治療後の感染を防ぐために使用されます。特に外科的処置を行った後や、重度の歯周病治療の後に処方されることが多いです。
アモキシシリン
広範囲に作用するペニシリン系の抗生物質で、感染予防や治療に広く使用されます。
クリンダマイシン
ペニシリンにアレルギーがある患者様に対して使用されることが多いです。歯周病や骨髄炎にも効果があります。
メトロニダゾール
特定の細菌に効果的で、歯周病治療に使用されることが多いです。アルコールとの併用は避ける必要があります。
薬の飲み合わせに注意
薬の相互作用
複数の薬を同時に服用する場合、それぞれの薬が相互に作用し合い、効果が増強されたり、副作用が強く出たりすることがあります。
例えば、抗生物質と一部の抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を併用すると、出血リスクが高まることがあります。また、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と血圧降下薬を併用すると、血圧降下薬の効果が減少することがあります。

医師や薬剤師への相談
新しい薬を服用する前には、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。特に、慢性疾患で複数の薬を服用している場合や、サプリメント・市販薬を併用している場合は、飲み合わせによるリスクを避けるために専門家のアドバイスが重要です。
自己判断での服用を避ける
自己判断で市販薬やサプリメントを追加で服用することは避けましょう。自分に合った薬の選択や適切な用量を判断するには専門知識が必要です。
誤った服用は、効果が得られないだけでなく、副作用や相互作用のリスクを高めることになります。
治療中に使用する薬
局所麻酔薬
歯科治療中に最も一般的に使用されるのが局所麻酔薬です。痛みを感じさせないために使用され、多くの治療で必要不可欠です。
鎮静薬
患者様がリラックスできるように、鎮静薬が使用されることがあります。特に、不安が強い患者様や長時間の治療が必要な場合に有効です。
抗菌薬
手術後や感染症が疑われる場合に、抗菌薬が使用されます。これにより、感染症のリスクを低減し、治療の成功率を高めます。
最近では漢方薬を使用することも
歯科治療において、近年では漢方薬の使用も増えてきています。自然由来の成分を使用することで、副作用が少なく、体に優しい治療が可能になります。
漢方薬の利点
副作用が少ない
漢方薬は自然由来の成分で作られているため、化学薬品と比較して副作用が少ないとされています。
体質改善
慢性的な症状に対しては、体質を改善することで根本的な治療を目指します。
歯科治療で使用される漢方薬
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
筋肉のけいれんや痛みを和らげる効果があり、歯科治療後の痛みや炎症を軽減するために使用されます。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
炎症を抑え、免疫力を高める効果があり、口内炎や歯周病の治療に用いられます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力を増強し、回復力を高めるために使用され、術後の回復をサポートします。
まとめ
体の状態や現在服用している他の薬剤によって、使用する薬を変更したり、使用時の注意が必要になったりすることがあります。
そのため、自分の体の状態や服用中の薬を把握しておくことが非常に重要です。少しでも気になる点がありましたら、医師や歯科医師に相談しましょう。